説明会のご報告(山脇学園中)
学校説明会レポート
山脇学園中学校・高等学校
入試広報部長 堀江 綾 先生
お世話になります。中学受験科責任者の櫻田です。
山脇学園中学校・高等学校の説明会に参加しました。
山脇学園は、赤坂見附駅・赤坂駅・青山一丁目駅・永田町駅など、複数の駅から通学できる場所にあります。 都内から通っている生徒が多い一方で、埼玉県・千葉県・神奈川県から通う生徒や教職員もいます。 なかには、静岡県から新幹線で通学している生徒もいるそうです。
高大連携をはじめとする学びのネットワークに加え、交通アクセスの良さも山脇学園の魅力の一つです。
説明会を聞いて感じたこと
都心にありながら、さまざまな地域から生徒が集まっています。 多様な生徒と出会いながら学校生活を送れる環境であると感じました。
大規模校でありながら、きめ細かく生徒を見る
山脇学園は、1学年約280名、全校生徒約1,600名の大規模校です。 1学年は8クラス編成で、通常は1クラス35名から38名程度となっています。
ただし、2026年度は入学者が300名近くになったため、例年よりも1クラスあたりの人数が多くなっているとのことでした。
生徒数の多い学校ですが、学校としては、一人ひとりをきめ細かく見ていくことを大切にしています。 毎週席替えを行い、生徒がさまざまな友達と接する機会をつくっています。 また、多くの授業でペアワークやグループワークを取り入れています。
面談がとても多いことも、山脇学園の特徴です。 学習面だけでなく、生活面についても面談を行っています。
不安や問題を抱えている生徒だけを面談するのではなく、基本的に「全員と面談する」という方針です。 生徒の学習状況や人間関係の変化を、教員が早い段階で把握できるようにしています。
放課後には、自宅学習の練習を目的とした自習フォローも行われています。 学習手帳を使って、日々の学習習慣を管理していきます。
道徳の授業は教員だけでなく、学校長が担当することもあるそうです。
生徒数が多い学校ではありますが、面談や席替え、グループワークなどを通して、生徒同士や教員との関係が固定化しないよう工夫されています。 「大規模校だからこそ、意識して一人ひとりを見る」という姿勢が伝わってきました。
制服と学校生活
山脇学園には、さまざまな種類の制服があります。
第1制服はワンピーススタイルで、入学式や卒業式などでは、全員が第1制服を着用します。 そのほかにも第2制服などがあり、場面や季節に応じて選ぶことができます。
ポロシャツは3年前に導入されました。 夏はポロシャツで過ごす生徒が多いそうです。
部活動
生徒の約9割が、何らかの部活動に参加しています。 特に今年度の中学1年生は、複数の部活動を兼部している生徒が多いとのことでした。
授業だけでなく、部活動にも積極的に参加する生徒が多い学校です。
特色ある広大な施設
山脇学園には、広大で多様な施設があります。 かつて短期大学で使用されていた施設も、現在は中学生・高校生の学習施設として活用されています。
なお、校内にプールはないため、水泳の授業はありません。 この点については、喜ぶ方と残念に感じる方に分かれるとのお話がありました。
主な施設
- 図書館エリア「ラーニングフォレスト」
- 理科エリア「サイエンスアイランド」
- 英語エリア「イングリッシュアイランド」
- 自習エリア「セルフスタディアイランド」
- メディカルサイエンスラボ
今年度から、新たにメディカルサイエンスラボも設置されました。
中学生は屋外実験場にビオトープをつくり、サンショウウオを飼育しています。 屋外での活動となるため、かなり虫に刺されるそうです。
施設についての感想
それぞれの施設に名前が付けられており、学習の目的が明確になっています。 単に設備が充実しているだけでなく、生徒が自ら学びたくなるような空間づくりが意識されていると感じました。
建学の精神と「志」
山脇学園の建学の精神は、社会で活躍する女性を育成することです。
学校では「志」という言葉を大切にしています。 富士山のように高く、北極星のように目印となる道標を持つことを目指します。
山脇学園が掲げる二つの目標
- 自己実現
- 社会貢献
総合知の実現を目指す探究学習
山脇学園では、教科の枠を越えた「総合知」の実現を目指しています。
中学校で1回目の探究サイクルを経験し、高校で2回目の探究サイクルを回すという流れになっています。
説明会では、探究発表会の様子も動画で紹介されました。 「YSE(Yamawaki Science Expo)」では、理系分野だけでなく、文系分野の研究発表も行われています。 動画に登場していた生徒は、発表当時、高校2年生だったそうです。
総合知育成プログラム
中学生は、山脇学園独自の「総合知育成プログラム」に取り組みます。 このプログラムは一部の希望者だけでなく、全員が必修で受講することが特徴です。
文系・理系を問わず幅広い分野を学ぶことで、自分が文系に向いているのか、理系に向いているのかに気づくきっかけにもなります。
プログラムの例
- イングリッシュアイランドステイ
- 知の技法
- ELSI(科学倫理)
- サイエンティストI・II(実験・探究、プログラミング)
- 探究基礎(データサイエンス)
- Gijutu(IoT、ものづくり)
- 総合的な学習の時間
中学3年生になると、「リベラルアーツチャレンジ」と「自然科学チャレンジ」のどちらかに分かれます。 選択した分野によって、修学旅行の行き先も分かれるそうです。
高校1年生からは、次の三つのコースに分かれます。
- リベラルアーツコース
- サイエンスコース
- 国際教養コース
高校全体では、理系と文系の割合はおおむね半々です。 ただし、現在の高校1年生では、理系を選ぶ生徒の方が多くなっています。
スーパーサイエンスハイスクール
山脇学園は、スーパーサイエンスハイスクール、いわゆるSSHに指定されています。
SSHには研究費を受けられる場合があることに加え、外部講師を学校に招きやすいという利点があります。 学校内だけでは得られない専門的な話に触れることで、生徒の視野が広がります。
非認知スキルを育てる
山脇学園では、学力として数値に表れる力だけでなく、「非認知スキル」の育成も重視しています。
説明会では、非認知スキルについて氷山を使った説明がありました。 成績など、目に見える部分は氷山の海面より上に現れる部分です。 一方で、考え方や心の持ち方、行動の習慣などは、海面より下に隠れている部分にあたります。
ごきげんマネジメント
山脇学園では、「ごきげんマネジメント」という考え方を取り入れています。
自分の心の扱い方を知り、幸せを自らつくり出すことを目指す取り組みです。 思考と行動の習慣を身につけ、どのようなときでも心を整え、良いパフォーマンスを発揮できる人を育てます。
また、自分だけでなく、良いチームをつくり、周囲に貢献できる人になることも目標としています。
学校だからこそできるプログラム
- ドラマエデュケーション
- 芸術鑑賞会
- 生徒会活動
- 部活動
- 山脇祭
- 合唱祭
ドラマエデュケーションは、演劇を取り入れたプログラムです。
説明会では、合唱祭の動画も紹介されました。 教員から指示されて動くのではなく、生徒が主体となって練習を進めている様子が映し出されていました。
感想
「ごきげん」という柔らかい言葉を使いながら、自分の感情や行動を自分で整える力を育てようとしている点が印象的でした。 学力だけでなく、集団の中でどのように行動するかまで意識した教育が行われています。
学習方法の定着と習慣づけ
山脇学園の学習指導は、どちらかといえば管理型です。
オンラインツールを使ったコメントのやり取りや、学習手帳、Studyplusなどを活用し、生徒の学習状況を把握しています。
生徒によると、学校の課題は多いそうです。 ただし、「中学受験のときの方が大変だった」という声もあるとのことでした。
英語は3段階のグレード別授業
英語は、G1・G2・G3の3段階に分かれて授業を行います。
G1は英語の初学者を対象としたクラスです。 中学1年生の入学当初は、約70%の生徒がG1からスタートします。
英語を初めて本格的に学ぶ生徒も含めて、英検の取得を目指していきます。
セルフスタディアイランド
セルフスタディアイランド、通称SSIは、生徒が放課後に利用できる自習エリアです。
- 7教室、350席以上
- 入退室をQRコードで管理
- 18時45分まで利用可能
- 赤本や参考書類が充実
- 週2日、チューターが質問に対応
個別ブースの利用者は抽選で決まりますが、普段からSSIを利用している生徒には優先権があります。
各種講座
- 放課後レベルアップ講座
- 季節講習
- 英検・TOEFL講座
- 駿台予備学校講師による英語・数学トップレベル講座
- 放課後atama+講座
学習時間を本人任せにするのではなく、手帳やオンラインツール、自習室などを組み合わせて、学習習慣を段階的につくっていく仕組みが用意されています。 自分で学習を進める力が身につくまで、学校が丁寧に支えていく方針だと感じました。
進路・キャリア支援
進路やキャリアについては、次の三つの言葉を大切にしています。
- やりたいこと
- やれること
- やるべきこと
この三つが重なった部分を、生徒自身が「志す」ものとして捉えます。
総合的な学習の時間を通じて、自分自身について知ることと、社会について知ることの両方に取り組みます。
高大連携
現在、11大学と高大連携を行っています。
- 芝浦工業大学でのサマーインターンシップ
- 東京農業大学の世界学生サミットでの発表
- 津田塾大学、金沢大学、関西大学などによる出張講演
芝高等学校との連携
芝高等学校が実施する「芝漬けゼミ」に、山脇学園の生徒も参加することができます。
多様な進路
一般選抜による進学者の割合は58.5%です。
進学先は82大学、162学科に及びます。 特定の大学や学部に偏るのではなく、生徒の希望に応じた多様な進路選択が行われています。
入試について
A・B・C入試
A入試・B入試・C入試は、どの回も同程度の難易度になるように作成されています。 合格のボーダーは、おおむね6割から7割です。
国語・算数1科入試
国語1科入試、算数1科入試についても、合格のボーダーはおおむね6割から7割です。
2026年度入試では、国語1科入試のボーダーが64点、算数1科入試のボーダーが65点でした。
理数探究入試
理数探究入試も、合格のボーダーはおおむね6割から7割です。 2026年度入試のボーダーは61点でした。
英語入試
英語入試という名称ですが、入試当日に英語の試験を受けるわけではありません。 一般入試と同じ問題を解き、英検の取得級に応じて優遇点が加算されます。
この方式の英語入試は、約10年前から実施されています。
2027年度入試からは、一般入試Aと英語入試Aの両方に出願できるようになります。 同様に、一般入試Cと英語入試Cの両方に出願できるようになります。
入試方式による問題の違い
国語・一般入試
大問は4題です。 説明文、論説文、短い説明文、漢字の問題が出題されます。
国語・1科入試
知識問題は少なく、説明文読解と物語文読解が中心です。 記述問題が多いことが特徴です。
算数・一般入試
大問1は答えのみを記入します。 大問2以降は記述式で、途中の考え方に応じて部分点が与えられます。
算数・1科入試
基本的には、答えが完全に合っている場合に得点となる完全解方式です。
2026年度入試では2問を記述問題としましたが、2027年度入試では記述問題をなくす予定です。
理数探究入試
完全解方式の問題もありますが、記述問題が多く出題されます。
入試方式によって、問題の構成や解答方法が大きく異なります。 過去問題を実際に解き、どの入試方式が自分に合っているかを確認してほしいとのことでした。
説明会を終えて
山脇学園は、約1,600名の生徒が通う大規模校ですが、面談や学習管理を通して、一人ひとりの状況を丁寧に把握しようとしている学校です。
探究学習、SSH、高大連携など、将来の進路や興味につながる学びが数多く用意されています。 一方で、学習手帳やオンラインツールを用いた管理、放課後講座、自習室など、日々の学習を支える仕組みも充実しています。
学力を高めるだけでなく、自分の心を整える力や、周囲と協力して行動する力まで育てようとしている点が、山脇学園の大きな特徴だと感じました。